アナタは、炎の真ん中に何があるか知っていますか。

3番目の目で見た・オオハマのおじ~どうしても伝えたい話6

2007年10月20日

トーマスさんとカマルさん、
お互いの胸の内にある思いを
どうやって伝えればいいのかと考えるあまり、
何となくギクシャクしてしまいました。

「…あ、カマルその…今日は」

「あ、そうそう今日ね、朝早くからチルーおばさんが家に来ていたのよ…」

「そ、そうか…それより、今日知念の…」

「あぁ、船の様子を見に行ってたのよね。疲れたでしょ、お夕飯の仕度できてるから、食事にしましょ…」

「あ…あぁ、そうだな…」
どことなくぎこちない会話をかわすと、二人とも言葉を失ったようにだまりこんでしまいました。
言葉をかわすことなく、何となく気まずい空気の中、トーマスさんに食事を運ぶカマルさん・・・

「ウサガミソーレータイ・・・」

「ン…」
はしをとったトーマスさんは、お茶わんから出る温かいゆげを見つめると、思いつめた顔で
おもむろにはしをおき、カマルさんの方をむいてつぶやくように言いました。

「カマル…」

「どうしたの?どこか具合でも悪いの?」
カマルさんはその時はじめて、トーマスさんの様子がおかしい事に気が付きました。

「何か、あったの?」
カマルさんがそう聞くと、トーマスさんは、突然カマルさんに頭を下げてこう言ったのでした。

「…sory…ごめんなさい、ワタシのことをゆるしてください…」

「ト・・・トーマス?何 ・・・・・何を言っているの? ヤダ・・・頭下げたりして、どうして・・・
知念の村で何かあったの?」


この時代、男性が女性に頭を下げるということは「あるまじき行為」であったので、
カマルさんはトーマスさんのその行動に、とてもおどろきあわてました。

「ねぇ、やめてください、 頭を上げてちょうだいトーマス! いったい何があったの?
お願いだから、顔を上げて・・・・トーマス!!」

頭を深々と下げ、何も言わず身動きひとつせずにいたトーマスさん・・・

カマルさんは、あせったようにトーマスさんの手をとろうとして、お茶わんをひっくり返してしまい
せっかくの夕食もだいなしになってしまいました。
こぼしてしまった汁を急いでふきながら、トーマスさんを気づかうカマルさん。
「ごめんなさい、やけどしなかった?すぐに取り替えてくるから・・・」

トーマスさんから、何の応答もないままで、
むしろを雑巾でゴシゴシとふいているうち、カマルさんは力がぬけたように手が止まってしまいました。

「・・・・・・お願いトーマス顔を上げて・・・・・」

尋常じゃないトーマスさんの様子に、カマルさんは得体の知れない不安が込み上げてきて
悲しくなり、大粒の涙がこぼれ落ちてきました。

「もー、何なのよ・・・・」泣きながら叶ぶようにしてトーマスさんの胸元をつかみ、
なぶるようにしていたカマルさん・・・

泣くのをガマンしているかの様に瞳をギュッと閉じ、唇をかみしめていたトーマスさんは、うつむいたままカマルさんの肩をつかんで自分の胸に抱き寄せました。

何も言わず、しばらくだまったまま二人はそのままでいました。

お互いの状況にふりまわされ、心労を感じていたトーマスさんとカマルさんでしたが、この時、言葉を交わさずとも、今はまちがいなく愛しい温もりを抱いているという真実だけが、二人にとっての「大切な時間」であることをあらためて心に刻んだのでした。

「・・・ずっと一緒にいよう・・・・・」

「え?・・・・・」

 つづく

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この記事へのコメント
こんばんは。
ブログで励ましのお言葉ありがとうございます。
ブログ存続に関してはもうしばらく考えさせてください。
しかし、しりえいさんのような方が一人でもいらっしゃるということは強い勇気をいただけます。
ブログ再開したときはトラックバックにてお知らせさせていただきます。
Posted by 中屋ヒロキ at 2007年10月25日 22:50
始めまして・・・凄く・・・心で表せる事の出来ない・・・ステキな・・・涙していい。。。
Posted by たぁーふたぁーふ at 2007年10月28日 18:25
はじめまして☆たぁーふさん
コメントありがとうございます。

たぁーふさんのブログ見ました。運動会おつかれさまです。
うちの運動会は例年よりも早く、9月の終わり頃でした。

運動会ってつかれるけど、子供達のがんばっている姿をみると、
自分もアツクなっちゃうんだよね・・・・・♡
Posted by しりえいしりえい at 2007年10月29日 15:41