アナタは、炎の真ん中に何があるか知っていますか。

3番目の目で見た・オオハマのおじ~どうしても伝えたい話2

2007年09月23日


知念村についた英国の大きな船は、
ところどころ傷んで、その修理をするのに
一カ月程はかかるので、



国に戻れるのはその後からと、船員から聞かされていたトーマスさんは、
その間に帰り仕度をしょうと思い、その前にカマルさんにちゃんと話をしなければ・・・・
と、その日の夕食もすんでから、カマルさんに声をかけました。

「カマル・・・ワンネー ウンジュンカイ ハナシヌ・・・アン・・・」
トーマスさんはカマルさんと一緒にいる間で覚えたカタコトのウチナーグチをつかって、話をしました。

「カマル、僕といっしょにイギリスに行こう、僕の国でいっしょにくらそう!」
カマルさんはしばらくだまってうつむいていましたが、スッと、トーマスさんの目を見つめ

「・・・お答えをする前に、私は貴方に話ておきたいことがあります。」と、いつになく
真剣な表情を見せたカマルさんでした。 「何ですか?」トーマスさんがそうきくと、

「実は、私、2ヶ月前程から、月のものが来ておりません、最近身体の調子もおかしいので、もしかしたら、子供を身ごもっているかもしれません・・・」

「子供?・・・子供・・・baby・・・oh・・」
トーマスさんはカマルさんを見つめ、目に涙をうかべながらカマルさんをやさしく抱き上げ、
えんがわにカマルさんをこしかけるようにしてゆっくりとおろし、そして自分は裸足のまま下におりて、カマルさんに向かい片足をまげ、片足はひざ立て、左手を胸に右手をカマルさんの方へ差し出し、
何事かとうろたえるカマルさんを前に、静かにこう言いました。

「ワント・・・マジュン・・・ミートゥ・・・ンダ・・・
二・・・ナティキミソーリ・・・・」
プロポーズの言葉でした。
その言葉をきいてカマルさんは、
ポロポロと涙を落とし、両手で顔をおおい、
首を横にふってこう言いました。

「no・・・sory・・・no・・・ごめんなさいトーマス、
私はあなたと一緒にはなれません・・・」












「wh・・・どうしてですか?私のこときらいですか?」
トーマスさんはききました。

「いいえ、いいえ、私は心からあなたを想っています。
あの大きな船がきてから、いつか・・・
この日がくると・・・あなたがそう言うと、私はわかっていました。でも、お腹の中に子がいると思ってから、
あなたと共に船にのり、遠い国への長旅の最中、もしお腹の子に何かあったら、それに私には両親も兄弟もいませんが、お世話になったおじや、おばがおります。
その方達に何のご恩返しもしないまま、あなたのお国へ行く事はできません。
あなたのお国の人達は、私とは髪の色も肌の色も瞳の色も違います・・・
私はあなたのお国で暮らしていく自身がないのです、ごめんなさい・・・ゆるしてください・・・
トーマス・・・・私はあなたとは一緒には行けません・・・・」


涙を流しながら、意を決して胸の内を話したカマルさんに悲しい表情をしていた
トーマスさんでしたが、しばらくして

「わかりました・・・・・でしたら私はいったん母国に戻り、心配して待っている父や母や兄弟に、あなたとのことを告げ、またこの島へ・・・カマルとbabyのところに戻ってきます」

「私は必ず、自分の家族のもとへ帰ってきます。
だからカマル・・・もう泣かないで・・・」


トーマスさんは立ち上がり、カマルさんの両手をとり、包み込むように
カマルさんを抱きしめました。
カマルさんはいたたまれなくなって、子供のようにトーマスさんのうでの中で
長い間、泣きました。

つづくキョロキョロ   

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