奇妙な世界に・・・「福龍王が言った…」・・・P8.5 |
2007年08月11日 |
6番目に自宅から最も近い天久宮に向かった。
泊港の向かい側にある外人墓地から入る道を上がって
いくと左手に小さな「とりい」が見えた。
福龍―冨を得
天久宮 (那覇市)場所
元々この辺りは昔からの漁港で海の玄関口となっていたとされる場所であった為に、このお宮は漁港を営む人々の航海の無事を祈る為に設けられた拝所であった。
昔は海岸沿いであったが今は、埋め立てられて住宅地となっている。けれども、天久宮の 「とりい」 をくぐり階段を降りていくと、神ウコールが置かれている場所があってその辺りには、今でも元は海であったと解るような、さんごが隆起して出来たと思われる岩肌を目にする事ができる ある意味時間の流れを感じさせる場所であった。
そして私は神ウコールを前にして手を合わせたが、何か邪魔が入っているかのように、中々集中することができず、福龍王が立ったことは覚えているが、正直言ってその時あった事を余り覚えていないのである。
確かに?願いを唱えてはいるが言葉に出そうとすると、とたんに自分が何を言おうとしていたのか忘れてしまい 「アレッ?今なんて…… 」 と思い出そうとすると、下の方からどんどん言葉が消されていく様なそんな感じだった。
何度も言葉を言い直し、どうにか事を終えたが実のところ福龍王が私の魂を抜き取ったのかどうかさえも解らない状態で、このままここにいると何もかも忘れてしましそうな、そんな気がして慌ててそこから、逃げ出す様にはなれたのであった。
帰り極に何となく、これが冨を得るとされる福龍王本来の力なのかと考えると少しゾッとした。
そして7番目に行ったのは金武宮で、
そこにいたのは、紫龍王であった。
紫龍―全ての病を治し 金武宮 (金武町)場所
だが私が見るところ、紫龍王の様子が何かおかしく感じられた。
私をさけている様な態度で、紫龍王は聞こえにくい小さな声で私にこう言った。
「私には、できない…… 私にはあなたの魂を奪う事も、龍神としての誓約を果たす事も…… 何も出来ない…… 私はただの臆病者だ…… 」 そう言うと何もせずにフッと消えてしまった。
何かしら紫龍王の中に、迷いと悲しみを感じた。今までの龍神達とは違う、どこかしら人の温かみのような自分と同じように心の揺らぎを持っている者という印象を受けた。



それから、少し時間をおいた。
というのも、代表される八社のお宮として残すのは後、沖ノ宮ただ1社だけだった。しかし、龍神が立たれたお宮はこれまでに6社しかない、残りの沖ノ宮を入れて7社ということは後1社、龍神の立つお宮を探さなければならなかった。
気持ちは焦っていた、相変わらず熱を出してはダウンしてしまう生活を続ける中、どんどん体力は衰える一方で子供達にろくな食事を作ってあげる事も、ままならない状態が日に日に増えてきていた。
7のマブヤー (7つある魂) の内、5つのマブヤーを龍神に抜き取られて 「マブヤーを落とすと身体が弱くなる」 という云われは本当だな・・・と実感した。
鉛のような身体をひきずって生活する中、「龍神の立つ8社を全部廻るまでは、何が何でも歩き続けてやるー」 という精神力だけでうごいていた。そしてある時、ふとこんな言葉が聞こえてきた 「桜、咲き乱れるところ」 その声に耳を傾け、考えた。
そういえば、この時期沖縄では桜の花が開く頃であったのを思い出した。あっちこっちのお宮を廻る際にも、ちらほらと桜が開いているのを目にしていた 「サクラ・・・・」 そうつぶやいて目を閉じ、見えてきたのは思いもよらない意外な場所だった。
つづく










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