アナタは、炎の真ん中に何があるか知っていますか。

奇妙な世界に踏み込んだ・・・「蛟龍王だ…」・・・P8.2

2007年08月05日


目の前で私を見ている龍、
仮にも自分のご本尊として絵を
かかげて、旧暦の新月と満月には
風習に習って手を合わせてはいたが…御香(白)


いろんなものを見てきた私でも、さすがに龍というものを見たのはこれが初めての事だった。大きくその迫力というか威圧感というのか、さながら蛇に睨まれたカエルの如く、頭のてっぺんから氷水をかぶったみたいに全身が硬直状態になった。がーん

身動き一つとれずにいた私を心配して、主人が寄り添った
※イメージ画                                 「どうした?大丈夫?」
                                         「……とうさん…龍神が…いる……」 「は?」
                                                      「今、私の目の前に……蛟龍王がいる……」

この時程、龍神が見えていない主人がうらやましいと思った事はなかった。

正直、龍というのは マンガやテレビ等でしかお目にかかることのできない空想上の生き物だとしか思っていなかった。これまで亡くなった人とか、守護神などとは数えきれない程出会っているが、龍の存在などと、心のどこかでは信じていなかった。テレビ
本堂で立たずむ私と主人、私達を見すえて蛟龍王は、こう言った。

「私は、何であろうと古(いにしえ)の約束を果たす…」 
「???」

何の事を言っているのか解らず、何を返せばと考えようとしたその時、突然ものすごい勢いで向ってきた。私の身体を通り抜け、一旦 上空へと登り、ゆっくりと又元の本堂内へと戻った。






頭の中は真っ白になっていた。ただ何か大きなものが動き出したという感じだけはあった。何もできず、つっ立ったままふと蛟龍王の前足に何か小さく光るものが見えた、目にした私に気づいたかの様に、「これはお前の魂の1つ、私がいただいた。」 龍神が言った な…」雷
「お前はこれから残り七つの宮を廻り、その度お前の魂は我が同士が預かる、最後の宮に巡り着き、事を終えた暁には、我々はお前の命と共に、その胸の内にある開連を手中に納め、時の宮へと奉納せねばならん、時の修復の為、仕方無きと思え。 さもなくば時が終末を向える事になる。 我々はその為にお前を幼き頃より育ててきたのだ、お前の内に連花が生じる時をどれ程待ち続けてきた事か……その命と引き換えに願いを叶えてやる、想うところを唱えてみよ!」
「な…なんで…」ギザギザギザギザ                                       
「お母さん?…何か今…ものすごい・・・何かが通った様な……」                         
主人でも感じる事の出来るすさまじい龍神の気であった。                            
「一体…どうなってるの?」
私ですら何がどうなっているのか、すでに頭の中は真っ白で起きている状況を把握しようにも目の前には本尊として来た龍神、その龍神のいった言葉の意味すら理解できない。1つだけわかったのは、今まで一生懸命崇め奉ってきた龍神に「死んでくれ」と言われたことだけだった。ガイコツ御香

いつもの自分であれば、パニックを起こして騒ぎ立てていたかもしれないが、もうそんな状態も通り過ぎていたので、それどころかむしろ自分の心は水を打った様に静まり返り、何も無い真っ白の空間の向こうに一点の光が見え、それに向って気を集中している自分がいた。

「さあ、何なりと唱えよ」
龍神が私を急ぎ立てた。自分の中に驚く程、冷静な自分がいて、その自分が動き出したという感じだった。手が自然と 「日輪」 の施無畏印(せむいいん)を組んでいた。自分自身に、ある決意が下った。日輪を組み龍神の目を見つめ私は唱えた。
「愛する者達と共に、ここに生きることを示せ」 一瞬、龍神の赤い瞳がカッと見開いた。
「……聞き留めた…」
静かにそう言って、蛟龍王は昇天しながら消えた。ぶーん

「何か、わかった?」 主人が心配そうに言った。
「ん、よくわかんないけど・・・とりあえずって感じ…帰ろう」
あれ程動揺していたのに、笑顔を見せられる程、落着きを取り戻した自分がいた。

まるで自分の中にある時計が動き出した、そんな感じであった…とけい(3時)


つづくキョロキョロ


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